Hello the universe!

お星さまナビゲーターのアルドラです。今年はインフルエンザが大流行しているそうですが、読者のみなさまは元気に過ごしていらっしゃいますか?恥ずかしながら私はしばらく体調を崩してしまって安静にしていました。でもその間に興味深い伝説を見つけたのでご紹介しますね。今日は星空を作った少女のお話です。

 

 

星空を作った少女

遠い遠い昔のことです。空には太陽と月しかありませんでした。夜空には星がひとつもなく、お月さまが空のまんなかでぽつんと輝いているだけ。砂漠の夜に輝くお月さまはとても明るいですし、夜になれば寝るだけなので大人はたいして気にしていなかったのです。しかし、ひとりの少女だけは、「月だけの夜空はさみしいなあ」と思いながら眺めているのでした。

ある夜のことです。囲炉裏の灰を夜空に投げてみると、灰が空まで飛んでいき、星となって細々と光りはじめるではありませんか!その時投げた灰はほんの一握りでしたのでほんのすこしだけの星々でしたが、夜空を飾れることが分かった彼女は満足げです。それから毎晩少しずつ囲炉裏の灰を一生懸命夜空に投げ続けました。灰が小さな星となり、空にばらけて一年分の夜空につながったころには、この星々は「天の川」とよばれるものになっていきました。

努力の甲斐あって、月と天の川だけの夜空もなかなか風流なものとなりましたが、もっと明るい星もたくさん欲しいところ。今度はフィンの木の根っこを空に投げてみると、これもまた星になりました。この夜から今度はフィンの木の根を夜空に投げる日々が始まったのです。

フィンの若い木の根は白く、老いた木の根は赤くなります。そのため、夜空には赤い星や白い星なども輝くようになったのです。夜空をつくりあげた少女がどうなったのかは語られていませんが、星空はきっと満足のいく出来だったのでしょうね。

 

 

ちょっとだけ解説

この話を語り継いだのは、アフリカのカタハリ砂漠に住む狩猟民族のサン人です。 サバンナで生活するサン人は「地球最古の人類」とも呼ばれ、アフリカでは最古の民族とされています。

私がこの話の面白いなあと感じる所は2つあって

・若い木の根と老いた木の根のくだり

・夜空には月しかなかった

という部分です。

偶然かもしれませんが実際の恒星も進化の段階で考えても、比較的若い星が白く輝き、晩年の星が赤色巨星となって赤く輝くことと一致しています。その意味でも、若い木の根が若い星となり、老いた木の根が老いた星となったのはよくできているなあとなるわけです。

また、夜空には月しかなかった、という記述。これもまた不思議ですね。宇宙の歴史を見ると当然太陽系よりも先に天の川銀河やその他の星々が先にあり、人類の歴史上では星はすでにあったはずなのですが、サン人の創造神が空に置いたのは太陽と月のみ。

それだけ太陽や月のほうが宗教的な意味合いが強かったのかもしれませんね。

さらに不思議なのが、「夜空には月しかなかった」という似たような話がチベットにもあったことです。

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星を作った老人

遠い昔、空には太陽と月だけがあり、星はありませんでした。100歳の老人は夜空にも灯りをともしたいと思い、9人の息子たちを集めていったのです。

「それぞれ81個ずつ宝石を持ち寄ってきなさい。」

そして集まった宝石を老人は一つずつ鶴に乗せ、自分もまた鶴たちを引き連れて天に昇っていきました。彼はひとつひとつの宝石を空にはめていき、宝石が星となっていきました。そしてすべての宝石をはめ込んで星空を完成させた後、老人自身も明けの明星となり空を彩ったそうです。

 

 

ちょっとだけ解説

「夜空に輝く星は、遠い昔に誰かが空にはめ込んだ宝石だった」というのは、夜空の美しさを見ると納得がいきますし、ちょっとロマンチックな伝説ですよね。81個/1人 × 9人 (=729)個という星の数はどこから来たのでしょうね。

明るさ別の恒星の数は

 

明るさ 1等星以上 2等星 3等星 4等星 5等星 6等星
星の数(個) 21 68 183 585 1,858 5,503

ですが、チベットからのみ見える星を数えているでしょうから、4~5等星くらいまでの明るい星はこのご老人がはめ込んだものということになりますね。すごい数です……!

 

星になった人間の話は世界中にたくさんありますが、人間が星空を作った話は珍しいです。あ、天の川を作った人間の話なら前に一度紹介したことがありますね。(冬の夜に探したくなる。ロマンチックな天の川のお話

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