Hello the universe!

お星さまナビゲーターのアルドラです。

山手線と惑星の公転速度を比べる記事を先週公開しましたが、惑星といえば冥王星が惑星から外されたニュースを思い出した方もいらっしゃるのではないでしょうか。

冥王星が惑星からはずれたのは2006年8月のことです。このとき行われた国際天文学連合(IAU) 総会では「何を惑星とするのか」が議論され、その結果として「冥王星は惑星としない」という結論が下されたのです。

さて、ここで定められた「惑星の定義」とはどのようなものだったのでしょう。

国際天文学連合では、惑星の定義を次のように定めました。

1.太陽を周回している。

太陽系の質量の99%は太陽の質量にあります。この太陽による強い重力に束縛されていることは最低限の条件です。また、地球を周回する月などの衛星もここで除外されます。

 

2.十分な質量があって重力が強いために、ほぼ球状になっている。

十分な質量のある天体は、自らの重力で丸く凝縮したり、他の天体を引き寄せて衝突・合体を繰り返します。それに対して、岩石でできた軽い小惑星や衛星は、いびつなジャガイモのような形をしていたり、小惑星イトカワのようなラッコ型など、球状から離れた歪んだ形をしています。川の上流のほうの石がごつごつといびつな形をしているのと似たようなものかもしれませんね。

 

3.自分の軌道の周囲から衝突合体や重力散乱によって、他の天体をきれいになくしている。

例えば、木星は十分な質量があるので強い重力を持ちます。これによって、近くを通りかかった彗星を壊したり、自分の元へ衝突させたるりするのです。(木星と天体の衝突については1994年のシューメーカー・レヴィ第9彗星が比較的有名です。)また、衝突だけではなく近くを通りかかった小天体が木星の引力で加速し勢いよく宇宙のどこかへふっとばしてしまうようなことも起こりえます。十分な質量のある天体の軌道周辺は、近くの天体と衝突したり吹っ飛ばすことで次第にスッキリしていくのです。

 

さて、冒頭でふれた冥王星ですが、この3つの条件のうちどれにひっかかってしまったかというと「3.自分の軌道の周囲から衝突合体や重力散乱によって、他の天体をきれいになくしている。」です。

2015年に探査機ホライズンズが撮影した冥王星。魚の尾のような形がチャーミングです。

 

さて、冒頭でふれた冥王星ですが、この3つの条件のうちどれにひっかかってしまったかというと「3.自分の軌道の周囲から衝突合体や重力散乱によって、他の天体をきれいになくしている。」です。

 

 

冥王星は1930年代の発見当時はほぼ単独でその軌道にあると思われていたため、9番目の惑星として位置づけられていました。しかし1992年以降には同じ軌道領域に似たような小天体がつぎつぎと発見されたのです。(この冥王星付近の小天体を太陽系外縁天体と呼ばれています。)そのため、冥王星の軌道周辺は、冥王星によって他天体をなくせなかったということになり、「惑星ではない」という結論が下されました。

 

そして、惑星の条件1、条件2のみを満たしている天体に「準惑星」という新たなカテゴリが追加されたのです。現在、準惑星とされているのは「冥王星」「エリス」「ケレス」「マケマケ」「ハウメア」の5つです。そして冥王星は、この5つの準惑星の代表格となりました。この冥王星の『異動』を『昇格』とするか、『降格』とするかは人それぞれですね。

 

 

さらに、惑星の条件1のみを満たしている天体を「太陽系小天体」と呼びます。小惑星や彗星など、多くの天体はこの「太陽系小天体」に属しているんですよ。こうして太陽系の天体は「惑星」「準惑星」「太陽系小天体」の3つに分類されることとなったのです。

 

冥王星は、「惑星」から「準惑星」の代表格となりました。この冥王星の『異動』を『昇格』とするか、『降格』とするかは人それぞれですね。私は「準惑星」自体が近年の観測技術向上の成果であることや、太陽系外縁天体という新しい太陽系のエリアを切り開いたという意味で、『昇格』だと思っています。

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girls dropより

※追記

この記事に対して、冥王星について「惑星から外れた決定打は周辺の天体の存在だけではない」「どちらかというと観測技術の発展とともにサイズが小さくなっていったのが大きいのでは」という意見をいただきました。適切な解説が書けず本当にすみませんでした。せっかくなので冥王星の「いまむかし」についてもう少しまとめておきたいと思います。

 

■発見当初の冥王星像

・恒星と違う動きをする星(惑星?)を見つけた!第9惑星として知名度があがり愛着もわいた!

→しかし明確な惑星の定義はなかった

→冥王星が怪しくなってきても簡単には惑星から外せなかった。

・地球程度か数倍の質量を持つ?

・惑星として独立した軌道をもっているだろう。

 

■わかってきた事実

・地球の0.2%ほどの質量しかない(月より小さい)。

・冥王星の大きさに匹敵する太陽系外縁天体がつぎつぎに発見された。

→しかも冥王星より大きいエリスも発見された(惑星を12個まで増やすか?)。

冥王星の軌道だけ他の惑星と比べて17度も傾いている。

→一部海王星の軌道に食い込むほど円から歪んでいる。

 

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