私の趣味の一つとして俳句があるのですが、元は小説や詩などを書くために俳句歳時記を読み漁っていたのもきっかけの一つです。小説を書く人には俳句歳時記は必要ないと思われるかもしれませんが、小説を書くヒントがたくさん詰まっているんですよ!

 

1.美しい日本語がたくさん詰まっている

「冬隣り」「冬銀河」「秋時雨」「猫の恋」「春深し」など、俳句の季節を表す季語には、日常生活では使わずとも響きの美しい日本語がたくさんあります。もっと雰囲気を持つ言葉を使いたいときや繊細な背景描写のヒントとして役立ちます。

 

2.様々なシチュエーションが詰まっている

例えば「浴衣」を歳時記で調べてみましょう。同じアイテムを使った俳句でも様々なシチュエーションが見られます。

・少し派手いやこれくらい初浴衣 草間時彦

母子のやりとりでしょうか。初めての浴衣で「派手じゃないかな」と気にしている娘や「そんなことないわ」と優しく声を掛ける姿がほほえましいですね。

・張りとほす女の意地や藍ゆかた 杉田久女

藍色の浴衣は、色鮮やかな浴衣よりも大人っぽくかっこいい印象がありますね。単色の藍ゆかたが大人の女性の強さをよく表しています。

・浴衣着て少女の乳房高からず 高浜虚子

まだ身体が成長しきってない様子と浴衣の艶っぽさが潔く表現されています。

・借りて着る浴衣のなまじ似合いけり 久保田万太郎

「浴衣似合わないから…」といいつつも、言われるままに来てみたら様になっていたのでしょう。どきどきしたり少しうきうきもしているかもしれませんね。

 

3.ショートショートなどで文章の練習をできる

私がよくやっていた遊びとして

①適当に俳句歳時記を開いて

②気になった季語や俳句をピックアップして

③それをワンシーンに使ったショートショートを書く

というものがあります。文章が書きたいけれど、特に書きたいものがないときやちょっとした練習にいいですよ!

例えば、「ソーダ水」という季語をつかった

・ソーダ水方程式を濡らしけり 小川軽舟

なんかは学生同士が喫茶店でわいわい勉強をする様子などいろんなシチュエーションが考えられそうです。

 

4.言葉に対する感性を身につける

俳句にかぎらないですが、文字数の少ない文芸では一字一句をとても丁寧に選びます。キャッチコピーの公募で大賞作品と1文字違いで落選したという人もいますし、俳句の添削でも助詞や季語を変えるだけでぐっと良くなったりするのです。

俳句歳時記に載っている俳句は、17文字といえど一字一句までこだわり悩みぬいて作り上げられた完成品たちです。「この空気感にはこの季語が合うんだな」「この情景にはこんな言葉が合うんだな」などひとつひとつ学んでいくことで言葉に対する感性を身につけることができます。

例えば

寝袋に顔ひとつづつ天の川 稲田眸子

の「天の川」を「銀漢や」などに変えて前後入れ替えたりしてしまうとほほえましい風景とは合わなくなってしまいます。

 

5.季節感を身につける

季語には植物や動物、地方の祭りなどの項目があります。この時期にはこの花が咲く、この時期にはこの鳥が渡ってくる、この時期にはこんなイベントがある、など知っておくとリアルな季節感のある情景描写に役立ちます。

 

 

購入する俳句歳時記ですが、私は角川の俳句歳時記がおすすめです。(参考文献と秘密道具

俳句をする人にとって「俳句は角川」といわれるくらいの歴史と実績を持っていますし、実際作例も古今東西にわたり偏っていないので扱いやすいです。

もし角川でなくてもいいのですが、購入する場合は著者が一人の本は避けたほうがいいです。どうしてもその人の感性でのお気に入りの句が増えるので雰囲気や俳人が偏ってしまいます。その著者と好みが同じ場合は、自分好みで好きな句が見つかったりして楽しいのですが、好みが合わない場合は読んでいて正直ダルくなります。

電子辞書に入っている場合はもちろんそれでもいいですが、電子辞書は「調べる」ことには適しても「辞書を読む」にはちょっと不便です。

 

書くのが好きな人には読むだけでも楽しい本なので、俳句以外の創作にぜひ俳句歳時記を役立ててみてくださいね。

 

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