「冬銀河」という季語があります。ただの「銀河」では秋の季語ですが、「冬」とついたことで冬の季語となります。先日書いた、「冬の月」と同じパターンですね。(”耳鳴りは宇宙の音か月冴ゆる”「冬の月」にまつわる俳句3選

普段みる「銀河」と「冬銀河」は何が違うのでしょうか。少し考えてみました。

 

・星の数
銀河の見え方そのものが違います。地球から見える銀河は、天の川銀河を内側から見たものですが、これは季節によって見ている方向が違うのです。

夏は銀河の中心方向を見ているので、星がぎゅうぎゅうにひしめき合って見えます。一年間で一番壮観で華やかな時期です。反対に、冬に見ている銀河は天の川銀河の外側なので、見える星の数は少なくなります。派手さこそはありませんが、はかなく繊細な美しさがあります。

・大気
地球の大気を通して夜空を見ている以上、大気の状態にも着目しましょう。夏の空気は湿っていてよく動くので、星が瞬きやすいです。冬の空気は、からりとして静かなので、星の光もまっすぐ私たちの目に届きます。

・言葉の響き
言葉の響きも変わります。「冬」という言葉がつくことで、銀河に加えて冬のイメージもつきまとうからですね。なんとなく、物寂しい、つめたい印象がプラスされます。

 

ところで、夏と冬の銀河について書きましたが、季語「銀河」の季節は「秋」なんです。これは秋の銀河が一番美しいからだと言われています。が、実際はどの季節が一番美しく見えるのでしょうか。それはぜひ自分の目で確かめてみてください。

 

今回もなんとなく気に入った句を5つ集めてみました!

あくまで私の好みなので気になったら歳時記やインターネットで探してみるのもおすすめですよ!

 

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冬銀河かくもしづかに子の宿る 仙田洋子

生命の神秘の壮大さが実際は「しづか」なのがすごく好きです。宇宙に腕を広げる銀河が、冬は落ち着いて見えるというのにもマッチしています。こういう句書きたいなあ……。

 

屋上にバケツ置き去る冬銀河 五島高資

見ただけでひんやりと寒くなりそうな句です。どうしてバケツを置き去ったのか興味をひかれる句でもあります。

 

北へゆく列車短かし冬銀河 中村洋子

夜行列車から見えたのでしょうか。短い列車と大きな銀河の対比がなんとなく心に沁みる句です。

 

こげよ舟を億光年の冬銀河 保坂敏子

アニメのオープニングテーマのようでワクワクします。天の川と舟だとくどい?かもしれないけど冬銀河になってきれいに収まった感じがします。

 

サックスの低音が好き冬銀河 下条冬二

サックスきらっきらで銀河もきらっきらだけど「低音」だし「冬」なんですね。そこが渋い。カッコイイ。こういう句も好きだけど、こういう誰でも作れそうなものほど作るのが難しいんだろうなって想う今日このごろ。

 

(*・ω・)<冬銀河の句、ただいま作句中
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