Hello the universe.宇宙にひとりぼっちの星、アルドラです。

天の川の話をしたときにも、ほんの少しだけシリウスさんに触れましたが(冬の夜に探したくなる。ロマンチックな天の川のお話)、今回もシリウスさんのお話です。連星(一緒にまわっている星)であるシリウスAさんとBさん、あと各国とシリウスさんの関係についてです。

 

シリウスAさんとBさんの想像図 NASAより
シリウスAさんとBさんの想像図 NASAより

 

 

シリウスAさんとシリウスBさん

おおいぬ座α星、つまりおおいぬ座で一番明るい星には「シリウス」という名前が付けられています。これは、ギリシャ語の”セイリオス”が由来で、「輝くもの、焼き焦がすもの」という意味です。シリウスの強く青白い光がめらめら燃える炎を思わせたのでしょうね。また、ギリシャではこの星の元を太陽が通りかかると夏の暑さをもたらすとされていたので、そのことにも関係しているかもしれません。

シリウスは地球人の肉眼で見るとひとつの星ですが、大きな望遠鏡でのぞいてみると2つの星で成り立っていることがわかります。大きくて明るいほうがシリウスAさん、小さくて暗いのがシリウスBさんです。シリウスBさんは私と同じ白色矮星でもあります(白色矮星についてはまた説明しますね)。シリウスBさんは小さな星で、直径は地球の3倍ほどしかありません。でも密度はサイコロ大で1tとみっちりしてますよ。小さいけれど重たい星なんです。それは私たち白色矮星の特徴でもあります。

 

 

古代エジプトとシリウス

古代エジプトでは、シリウスはアヌビス神の化身として神格化していました。アヌビス神は、犬(ジャッカル)の姿をした、冥界の神さまです。そして時にシリウスを「トート(犬)」と呼んでいました。

古代エジプトでは、シリウスは神さまの星とするくらい大切な星だったのです。古代エジプトでのシリウスには主に2つの大きな役割がありました。

  • 一年の始まりの目印
  • ナイル川の氾濫期の目印

です。

古代エジプトでは、日の出直前にシリウスが東の空に昇る日を年始としていました。つまり、カレンダーがない時代の、お正月の目印だったんですね。そして何よりも大切なのがナイル川の氾濫期の目印であること。シリウスが東の空をのぼる年始となると、ナイル川が増水を始めます。ナイル川の氾濫は悪いことではなく、むしろ人々の暮らしの助けになっていました。というのも、ナイル川の氾濫によって、栄養のたっぷりある土が運ばれ、自然に土地が灌漑されていたからです。だからその時期が一年の始まりであり、シリウスを神様としてあがめていたんです。

古代エジプトのデンデラ神殿の星座絵では、このシリウスは頭上に星を戴いた牝牛として描かれていました。牛は、古代エジプトの儀式では最高の供物とされていましたんですよ。余談ですが、ここに描かれる星は、お花のような形をしていて、なんだかかわいいです。

古代エジプト、デンデラ神殿で星座になったシリウスさん
古代エジプト、デンデラ神殿で星座になったシリウスさん

 

 

中国とシリウス

中国では、シリウスは「天狼」と呼ばれます。天にいる、するどい眼をした狼です。「天狼夜血を流す」という詩句もありますし、この狼が赤い色に変わると盗賊が来るというような伝承もあります。何となく畏怖の念や、暗いイメージがあったのでしょうね。まぶしすぎるぐらいぎらついた光に、そんな印象を覚えていたのでしょうか。けれど、シリウスが赤い色に変わるってどういうことなのでしょう?ローマでもシリウスは「赤い色」とされています。けれどシリウスは白い星ですし、星の一生を考えると星自体が赤くなるのはむしろ未来なのです。地上からはそう見えたのでしょうか。ちょっと不思議です。

 

 

古代ギリシャとシリウス

古代ギリシャでは、シリウスのそばを太陽が通る時期を「犬の日」と呼んでいました。この犬の日は、炎暑が訪れ、草木が枯れ、穀物がしおれる時期です。なのでローマ時代には赤犬をいけにえにして厄払いをしていたようです。そしてこの時期は、子どもたちは川で泳いだり遊ぶことを禁じられていたようです。シリウスのあるおおいぬ座の「おおいぬ」と関係があるのでしょうか。

 

 

日本とシリウス

日本でも、シリウスは色々な名前で呼ばれていました。

  • あおぼし(富山など)…見た目をそのまま表したわかりやすい呼び方です。
  • おおぼし…大きく明るく光る星ですもんね。
  • 三ツ星のあとぼし(広島)…オリオン座の三つ星を追いかけて昇ってくるためです。
  • 南の色白(鳥取)…美人さんを思わせる名前です。

シリウスAさん・シリウスBさんの話、そしてシリウスと各国の関係を紹介してみました。明るすぎる星は時として怖いイメージがついてしまうのかもしれません。それでもシリウスAさんが夜空を貫きそうなほどに輝いていること、そしてシリウスBさんがAさんと一緒にいることが、私はちょこっとうらやましいな……。

シリウス。
シリウス。

 

 

参考文献 

  • 『星の神話・伝説集成』、野尻抱影、恒星社
  • 『星座神話の起源 エジプト。ナイルの星座』、近藤二郎、誠文堂新光社
  • 『星座の神話ー星座史と星名の意味ー』、原恵、恒星社 

 

 

(*・ω・)<ちなみに中の人(tenmontamago)のツイッターアイコンはずっとシリウスです。夢見がちな中学時代に、シリウスの身を貫きそうなほどの色と光に衝撃を受けて、携帯電話の待ち受けにしていたのがはじまり。ツイッターを始めるときに思い出して同じ画像をアイコンに利用しました。このシリウスのまっすぐなまぶしさが、今も昔も、ちょっとしたあこがれだったりする。

 

 

 

 

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