[心優しきひとの手]

心優しきひとの手を
傷つけてしまわないように
薔薇の棘をそっと抜いておこう
心優しきひとの手が
つめたい氷にふれてしまわないように
私の服の糸を抜いて手袋にしよう
心優しきひとの手に
音ひとつしない夕闇が迫るなら
にこにことして私がさきに飛び込もう

何度も何度も月の晩に誓ったのです
傷つけたくない心優しきひとたちを
私が手にかけるくらいなら
ひとり 私が
心を閉ざそう、と

それなのにどうして私は

優しい手をふりはらえないでいるのでしょうか

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